投資家はいつ休むか

プールサイドで昼寝をしている時にちょっとだけメールを見たり、クリスマス休暇の途中でオフィスに立ち寄ったりしたくなるかもしれないが、その考えは正しくない。なぜなら、われわれは仕事から距離を感じるときに初めて、仕事に関して全く新しい方法で考えることができるようになるからだ。その結果として、不可能に見えていた問題、数カ月も苦労していた問題が、突然解決しうるものになる。休暇(ブレイク)を取っているときにこそ、ブレークスルーが可能になるのだ。
「距離」と創造性:休暇が大切な理由

投資に「休むも相場」という格言があります。

これは毎日相場に参加せず、客観的に市場や自分を見つめることで良い結果を生むことができるという意味です。
取引を繰り返していると冷静さをいつの間にか失ってしまい、過度なリスクを抱えてしまい損失を出してしまうケースが投資には多々あります。

投資家は、悪いボールに手を出しすぎるので、成績が悪くなる。
投資の場合、ストライクゾーンギリギリに決まるボールを三球
見逃してもアウトにはならない。
実績を上げるためには、絶好球がくるまで待たなくてはならない。

ウォーレン・バフェット

さすが世界最高の投資家バフェット氏に言われると目も当てられません。まったく仰るとおり、「選択と集中」です。大事です。

しかし、売買を繰り返していくうちに「機会損失*1」を過度に恐れ出したり*2、損失を「取り戻す」ためにいつもはしないようなトレードを行なってしまう。これは投資を実際に経験してみないとわからないことだが、本当に人間の意志というものは弱いものでいつの間にか気がつくといつの間にかそうなっている。
LTCMというノーベル経済学賞を受賞した教授たちがつくったファンドがあったが、これが破綻したのは"悪いボールに手を出しすぎ"たからです。

土日を除く24時間市場が開いている投資家に取っていつ休むかは難しい問題です。VPSで自動売買していると寝ている時でも休暇中でも、気が本当に休まるときはありません。この問題は投資家個々人によって対処方法は様々でしょう。ただ、自分の中でのマイルールを設定しそれを遵守するという原則は変わりません。ポンドを空売りして大儲けしたジョージ・ソロスはその間数億ドルは少なくとも市場にお金をつぎ込んでいたそうですが、枕を高くして眠れたそうです。
バフェットとソロス 勝利の投資学

よく思うのですが、投資家は市場に対峙しているのではなく自分自身に対峙しているのではなかろうかと考えます。実に禅問答的であり深奥な世界でありストレスフルな環境です。

市場が開かれていない土日に「考えないとはなにか」を考えていて、このようなエントリーを書いているわたしにブレークスルーが訪れる気配はまだありません…


10/1/24追記 
100人の20世紀 『ジョージ・ソロス』
つぎ込んだのは100億ドルでした。
D

*1:取引をしたことによる損失ではなく、取引をしなかったことによって逃した利益のこと

*2:機会損失に立ち向かえるのはBNF氏とかそのレベル http://ja.wikipedia.org/wiki/B%E3%83%BBN%E3%83%BBF#.E3.82.A8.E3.83.94.E3.82.BD.E3.83.BC.E3.83.89